皆さんは円盤投げをする時に風を氣にしていますか。

「円盤投げは向かい風の時によく飛ぶ」
という言葉を聞いたことがある方は気にかけているかもしれませんね。

空気中を切り裂くようにして飛ぶ円盤には当然風も関係してきますので、風によって投げ分けられるようになると円盤投げは格段に上達することでしょう。

ここでは、円盤投げで風がどのように影響しているのか、『揚力』という観点から見ていきたいと思います。


1.揚力とは

そもそも揚力とは何か、ということについてご説明していきます。

揚力は、流体の中に動いている平らなものがある時にものを浮かせる方向に働く力のことです。

なぜそのような力が働くかというと、円盤が飛んでいくことで円盤の周りの空気(風)が曲げられることで、円盤の下部では空気が集まって上昇気流のような空気の流れが発生するためです。

具体的に説明をしていきます。

円盤を投げてから円盤が頂上に到達するまでの間は、円盤の上向きで飛んでいきます。その時、円盤の表面に沿う形で円盤の空気は動くことになります。

この円盤の周りの空気はコアンダ効果によって曲げられることになります。

コアンダ効果とは、流体がものにぶつかった時に引っ付く効果のことです。分かりやすく言うと、水道から出ている水に斜めに傾けた容器を当てると容器の下の方でも水は重力の方向ではなく、容器に伝うように流れていきます。

このコアンダ効果によって円盤の上面と下面にあたる風の角度は円盤に沿った角度に変えられます。

すると、円盤の回り以外の空気は通常通りの風で吹いているわけですから、後方の円盤の下部では空気が集まる場所が出来るのです。空気が集まることを収束と言うのですが、これにより空気は上向きに力を持つことになります。

気象学の用語に上昇気流という言葉がありますが、言ってみればこれと同じような力が円盤にかかってくるのです。

揚力は円盤以外にも利用されているものがあります。




一つは飛行機です。羽の形を上向きに傾けることで離陸時に揚力を得られやすいように工夫されています。

また、スキーのジャンプなども体の前方を上げて傾けるように飛んでいき、揚力を味方につけた競技だと言えます。


2.円盤投げで揚力を利用するために

円盤投げにおいて、揚力はプラスの方向に働きます。

揚力があることによって円盤は浮力を得ることが可能になり、落ちるまでの時間を伸ばすことが出来、結果的に飛距離が長くなるのです。

実際、空気抵抗を考えない円盤投げのモデルで実験と空気がある実際の円盤投げでは、平均で6m以上も記録が変わってくると言われています。

この揚力を味方につけることが出来れば、円盤投げは更に上達することでしょう。

飛んでいる円盤に角度がついているから円盤は揚力を得ることが出来るのですが、その際に角度をつけすぎてしまうのはよくありません。

飛ばすときの円盤の理想的な角度は35度から40度ですので、その角度で投げられるようにしましょう。

風向きによっても円盤投げのスタイルを見直していく必要があります。

向かい風の時には円盤後方の収束が強まるのでより揚力を得て円盤は遠くに投げられます。それ以外にも、右利きの選手の場合は右方向からの風が吹いていると円盤はよく飛ぶということが分かっています。

地面と平行に見える円盤でも。わずかに斜めになっているのでしょうね。

こういった風を読んで円盤を投げ分けることが出来れば、揚力を味方に付けて好記録を残すことが出来るでしょう。


3.円盤投げと揚力の関係のまとめ

ここでは円盤に働く揚力についてとその揚力を利用する方法についてお話ししました。

円盤投げをする時には自分自身の力は勿論重要になりますが、それ以外にも自然の力(遠心力や揚力など)を利用していくことで、円盤投げは更に上達をすることが出来ます。

練習の時にはターンの仕方などで頭がいっぱいになるかもしれませんが、風を意識して投げてみると、思っていた以上に遠くまで円盤を投げられるようになるかもしれません。