「円盤投げの練習をしているけれど、中々上達しない・・・。」
とお悩みの方、いらっしゃいませんか。

自分の出来ていない点を指摘してくれる人が近くにいたり、自分で気づけたりする場合は良いのですが、何が悪いのかさえ全く分からないとなったら、円盤投げの練習もどんどん楽しくなくなってしまいますよね。

そういった方にお薦めしたい方法があります。それが『スポーツ科学』の理論を学んで自分に落とし込んでみることです。

スポーツ科学とは何かと言いますと、科学的にスポーツを考察する学問体系のことです。

そのスポーツの中には当然円盤投げも含まれています。

ここでは、円盤投げの投げ方と円盤投げに重要だと言われる遠心力について考察していきたいと思います。


1.円盤投げの投げ方の理論

円盤投げが砲丸投げややり投げとは違う投げ方なのを不思議に思ったことはありませんか。

舞のようにターンを回りながら体の側面で投げる円盤投げですが、なぜこのような投擲方法を取っているのでしょうか。

仮に、その場で砲丸投げのように円盤を投げてみましょう。

すると、円盤は数mから10数mくらいしか飛ぶことはないでしょう。これは、円盤に空気の抵抗がかかることと腕力など、自分自身の力しか使っていないことが理由です。

それでは、空気抵抗をなくすために、円盤を水切りのように薄い側面を横向きで投げてみましょう。

すると、円盤は先程と同じくらいが、力のある方ですともう少し遠くまで飛ばせるかもしれませんね。ですが、それでも円盤をスタンディングスローよりも飛ばせる人というのは少ないと思います。

スタンディングスローの方が飛ぶ理由は、自分自身の力以外を上手く利用しているからです。その力こそ円盤投げ選手が、耳がタコになるほど聞いている『遠心力』です。

遠心力は式で表しますと、
F = mrω^2
(F:遠心力、m:質量、r:中心と物質までの距離、ω:回転スピード)
となります。




これを円盤投げに置き換えますと、次のようになります。
(遠心力) = (円盤の重さ)×(回転の軸の中心から指先までの距離)×(回転のスピード)^2

水切りのように投げたのでは回転の軸の中心から指先までの距離は短くなりますし、回転のスピードも加速できる距離が短いために遅くなります。

他にもスタンディングスローの方が力は入りやすいとか理由はあるのでしょうが、円盤投げがこういったスタイルになるのは理にかなっていると言えるでしょう。


2.円盤投げのターンの理論

立ったままでも遠心力という自然の力が利用できるというのはわかりましたが、なぜターンをする必要があるのでしょうか。

それは、加速する距離が長い方が結果的に投擲する瞬間の速度は速くなるからです。

距離が長い方が加速する、ということが理解できなければ、車が発進した時とその数秒後ではどちらが速いかを考えてみると納得できると思います。

理論上では、角速度はターンの数が多いほど遠心力を得られることになります。

これが、スタンディングスローよりもハーフターン、ハーフターンよりもフルターンの方が飛距離は伸びると言われている所以です。

ターンの回数を増やせないのでしたら、遠心力を大きくするには円盤を軸から遠い位置に持ってくるか自力で加速度を上げるしかありません。

自力での加速には下半身の筋力が必要なのは言うまでもありませんが、ここでも物理法則を利用することが出来ます。

それが体重移動です。体重移動が上手くできますと、自分の体重の分の重力がかかりますので、円盤はより加速することが可能になります。


4.円盤投げ上達のために知っておきたい物理理論のまとめ

ここでは、円盤投げの投げ方について、物理の理論を基に考えていきました。

理論的に考えることで、自分の円盤投げを客観視することが出来ます。
「この力を利用するための練習なのだ」
と自分の中にストンと落ちると、上達のための苦しい練習も今まで以上のモチベーションで取り組めます。

その結果、更なる円盤投げ上達への道が見えてくることでしょう。