初心者のための砲丸投げで重要な構え方について記述します。
1.記録を伸ばす立ち投げ(パワーポジション)の構え方【右投げの例】
砲丸投げの構え方では、先ず投てき方向に直線を引きます。
右足のかかと、左足のつま先を直線に合わせ、「ハの字」に開きます。
右膝を曲げながら、右足(母指球)に体重を乗せます。 90°右方向に上体をひねります。
「砲丸→右膝→右足つま先」が一直線になるようにします。
左手は、腕時計を見るように曲げ、視線は2~3m前方を見ます。
砲丸を持つ右手は、肘を肩の高さまで上げます。
2.グライド投法の構え方
砲丸投げの立ち投げ(パワーポジション)の構え方をとります。
右膝まで左膝を引きつけ、イスに座るように重心を後ろに下げます。左足を後方に引きながら右足を伸ばします。
左足が着地する前に右足を素早く引きつけ、右足→左足の順でタンタンと足をつけます。
素早く上体をひねり、左足をブロックします。右手を真っ直ぐ突き出しスナップを効かせて投げます。
3.構え方のポイント
構え方の上達には、物体を出来るだけ動かして、軽くして投げることができるかが、遠くに投げるポイントです。
砲丸は重いです。
それに砲丸投げには「砲丸は首やあごにつけるか、あるいはまさに触れようとする状態に保持しておかなければならない」というルールがあります。動かす幅には限界があります。
立ち投げよりもグライド(オブライエン投法)、グライドより回転投げが有利であると言われています。
上体のみを意識した投げでは肩幅か腰幅の範囲しか動かせません。
脚部を使ったしっかりとした構えでは、開いた膝から膝の範囲で動かすことが出来ます。
膝から膝(股関節)を出来るだけひろげ、砲丸を出来るだけ長く動かすことができるかが、距離を出すポイントです。
世界的にみると特に男子ではトップクラスで回転投げに取り組んでいる選手も多いが、日本での主流はグライド投法です。
これは、身体的特徴と技術習得にかける時間などを考慮した結果だと思われます。
グライド投法の場合、砲丸を出来るだけ長く動かすためにスタートポジションでは、後ろ向き→投げの局面では横向き→正面向きと姿勢を変えることになります。
姿勢を変える時に砲丸の軌道も変わってしまう可能性があります。
しかし、砲丸自体の軌道がぶれてしまうと力が分散してしまいます。
姿勢が変わっても直線的に砲丸を動かすことが出来れば、より強い力をかけることが出来ます。
砲丸投げの初心者は特に、体力を徐々につけながら、構え方をマスターしてください。そうすれば必ず上達します。