初心者のための砲丸投げのホップ投法が上達する練習方法について記述します。


1.ホップ投法とは?

横向きホップ投法(1896年~1910年)。

斜め後ろ向きホップ投法(1910年~1950年)。

後ろ向きグライド投法(1950年代前半)。

斜め横向きホップ投法。

砲丸投げの斜め横向きホップ投法は、投擲方向に対して真横を向いて砲丸を構え、ポーン、ポンというリズムで数歩のステップ動作後に投げる方法です。

身体の大きな選手が腕力にまかせて投げていた力依存の投法です。


2.砲丸投げの記録変遷

砲丸投げの動作技術の進化とともに砲丸投げの世界記録も変化してきています。

横向きステップ投法では、アメリカの巨人R.ローズが15.54m(1909年)を樹立しその後19年間誰も破ることがなかったのです。

現在、最もポピュラーな投法はオブライエン投法ですが、これはP.オブライエン選手が1952年のヘルシンキオリンピック大会当時から研究開発してきた“後ろ向きのグライド”を伴った投法です。

練習を始めた頃、周囲の人々は後ろ向きの投法を“狂気の投法”と呼んでその投法の記録的可能性を否定しました。

しかし、オブライエンは砲丸に白いペンキを塗り、月のあかりを頼りに行った何万回という投げ込み練習から、この投法が開発されたと言われます。

この投法により彼は1953年の18.00m の世界記録を皮切りに1954年に18.54m、1956年に19.25m、1959年には19.30m と次々に世界記録を更新していったのです。

その後さらに改良がなされグライド投法では数十年をかけて23.06m(1988年)まで達成し、回転投法では現在の世界記録です23.12m(1990年)に至っています。


3.砲丸投げの一連動作

砲丸投げの一連の動作は、グライド動作(準備動作・準備局面)、突き出し動作(手動・主要局面)、およびリバース動作(制動動作・終末局面)に分類されます。

それら一連動作は砲丸をいかに加速させるかが重要とされ、これが上達への近道となります。

1953年にオブライエンの世界記録を境に「横向型」から「後ろ向き型」のグライド投法への変化は、少しでも砲丸へ力を加えるためから生まれたもので、実際に距離を0.3m 伸ばしたとされます。




またグライドの移動では、いかにすばやくスピーディーな動作を作っても投げの構えでその速度が極端に低下してしまってはグライドする意味は全く無く、あくまでも前段階での効果を残しながら次の局面の動作展開を行うことが重要です。

以上のことをまとめると次のようになります。

できるだけ大きな力をより長い距離に渡って加えます。その力は投射方向に直線的に加えます。

投げの動作は基本的に砲丸にプラスの加速度を与え続けることが重要です。

上記の連続的な動作遂行が砲丸に力を加えるのに最も必要とされる動きです。

また、砲丸投げにおける投射角は、グライド動作とリフト姿勢のスピードの大小関係によって決定されると考えられ、グライド技術の変化が砲丸の最適投射角に影響することが示唆されます。

よって、砲丸の投射距離は、投射高、投射角、投射速度の3つにより決定されるのです。

砲丸投げは身体的能力の中でも瞬発力系の能力が非常に重要な競技です。

そこで現在の一般的な練習方法として、トレーニングに重量の異なる砲丸を利用した投てき練習を行わせます。

それは、軽い砲丸を投げることによって動作のスピードを増すことや、高いスピード感を養うことを目的として実施されています。

これに反した練習方法として、重い砲丸を使って練習する場合もあり、これは主に投げに対してのどこの筋肉をどのように使用するかを確認しながら、筋肉の発揮能力を高めることを目的として実施されています。

また、多くの研究から砲丸を投げる場合に腕の力だけで突き出して投げるのではなく、脚部や体幹の働きを十分に活用することの重要性も解明されています。

このように砲丸投げを指導する際に一連の動作をパートに分けて練習することも大切ですが、実際の競技においては砲丸の投てき距離を伸ばすためにスピードとバランス相互が連携し、エネルギーを分散することなく、効率よく投射時に伝わっていくようなイメージをしっかり持つのが最も重要です。

砲丸投げの初心者は特に、グライド投法を徐々につけながら、パワー増強してください。そうすれば必ず上達します。