初心者のための「砲丸投げ」が上達する運動神経の強化法について記述します。


1.砲丸投げの基本

砲丸投げは,陸上競技の投てき種目の一つであり,投てき物を押し出す(プットする)投動作に大きな特徴があります。

このプット型の投動作は,重い投てき物を投げることに極めて有効な動作でありますが,非日常的な動作でありますために習得が難しい動作でもあります。

学習すべき運動の技術構造や運動課題を明確化し,類縁構造をもつ運動を系統的に捉えておくことが有益です。


2.グライド投法における技術情報

これは、砲丸投げのグライド投法における動作局面及び動作と技術構造を表したものです。

グライド投法は,大きく分けてグライド,投げ,リバースの3つの動作局面から成り立っています。

これは、運動神経を鋭く養成するのに適しています。そこで,以下では各局面における砲丸投げの技術構造について説明を行います。


1.グライドにはどのような基本技術がありますか?

砲丸の飛距離を獲得するためには,グライドによって作り出された身体後方への水平移動スピー
ドを,続く投げに効果的に利用することが重要となります。

そのため,グライドでは,身体の沈み込みによる重心崩しによって身体の後方移動を始動し,続いて右脚の押しと左脚の蹴り出しにより,身体の後方移動を進めること(身体後方移動技術)が必要となります。

さらに,グライドと投げを結びつけるために,グライド後半,右足がサークルから離地した後,上体の前傾を保持したまま右脚を素早く引き込んで接地します。

ほぼ同時に左脚も接地しながら投げの構えに入り,投げを投企した先取りを行いますこと(投げ投企先取り技術)が必要となります。

この2つが,グライドにおける基本の技術構造です。


2.投げにはどのような基本技術がありますか?

投げにおいて砲丸を力強く押し出す(プットする)ためには,身体の起こしと捻り戻しにより右脚から左脚へと体重移動を行いながら,脚を伸展することによって,投げの土台(軸)を作ること(軸作り技術)が必要となります。

さらに,適切な方向に正しく右腕を伸展すること(突き出し技術)も必要となります。




この2つが,投げにおける基本の技術構造であります。


3.リバースにはどのような基本技術がありますか?

身体制動するには,砲丸を突き出した後,左右脚を踏み替えながら,続く片足(右足)着地を行うための先取り(着地先取り技術)が意図されていなければならない。

しかし,着地の先取りだけでは,バランスのとれた安定した着地を行うことは難しく,そこには,右脚関節の屈曲による衝撃の緩和と左半身上下肢挙上による着地のバランス保持(着地バランス保持技術)を行うことが必要となります。

この2つが,リバースにおける基本の技術構造です。


3.グライド投法におけるトレーニング

しかし,その技術を有効に利用するためには,それを可能にする基礎技能が出来ていなければならない。

したがって,基礎技能として,グライド,投げ,リバースの3つの基礎技能を確立します。

グライド基礎技能と投げ基礎技能。この2つの基礎技能は,それぞれ独立していますのでなく,全体として1つの構造をなしてグライド投法を構築しています。

砲丸投げの主運動である投げの基礎技能からはじめ,続いて,グライドの基礎技能へと進めていきます。


1.投げの基礎技能をどのように向上させるか?

投げの基本技術を有効に利用するためには,投げの基礎技能である軸作り能力と突き出し能力を習得する必要があります。

これが上達への最短距離です。

投げの最終局面において適切な突き出しが行われなければ,砲丸に力を上手く伝えることが出来ず,飛距離獲得にとってマイナスに働くことになりますから,突き出し能力が,軸作り能力に先立って習得すべき能力であることが確認されます。

そこで,投げの基礎技能を向上させるために,以下の順でトレーニングを行い、同時に運動神経も多方面に伸ばしていきます。

突き出し能力習得のためのトレーニング

軸作り能力習得のためのトレーニング

軸作り能力と突き出し能力の繋がりを習得するためのトレーニング

初心者は、トレーニングを通じて砲丸投げの基礎能力を徐々につけながら、運動神経の養成に専念してください。必ず砲丸投げが上達します。