初心者のための「砲丸投げ」回転投法が上達する練習方法について記述します。


1.記録を伸ばす回転投法

砲丸投げでは回転投法の方が,グライド投法よりも砲丸を長く加速できます。

動作開始からリリースまでの砲丸移動距離は,回転投法がグライド投法の1.41倍です。

つまり,“砲丸が移動した距離”は,回転投法がグライド投法よりも長いのは事実です。

この“砲丸が移動した距離”に関して,回転投法では準備局面(動作開始から左が接地までの局面)でこそ大きな移動を示すものの,砲丸加速の主要局面である投げ局面(左足接地からリリースまでの局面)での砲丸移動距離については,グライド投法と大差がないのです。

砲丸移動距離に関して,投げ局面の砲丸移動距離は回転投法がグライド投法の90%です。

回転投法では予備動作のストライド幅が大きく,投げのスタンスが小さくなる“long-short rhythm”が採用されていることが明らかとなっています。
これらから,回転投法においてグライド投法よりも砲丸の移動距離が長いのは,投げ動作以前の部分であり,加速に関わる回転投法の空間的な利点は,主に「準備局面」にあるだろう。

次に,その「準備局面」の機能的な役割という観点から,準備局面で本当に問題になるのは,“砲丸自体の加速”でしょうか。

“砲丸自体の加速”ということに関して,空中局面(左足離地から右足接地までの局面)での砲丸速度増大の必要性について,砲丸速度の損失を防ぐという観点から,空中局面を短くすることをすすめます。

しかし,準備局面前半における加速の後,移行局面(右足接地から左足接地の局面)の前後で砲丸速度が大きく落ち込みます。

したがって,このような事実を考えると,準備局面における砲丸の加速を利用するために,空中—移行局面で砲丸の速度を落とさないことを重視するは無理があるかもしれません。

上述の移行局面における砲丸速度の落ち込みに関しては,投てき方向に全身が進行するのに対して,砲丸が逆方向の動きをすることに起因します。

すなわち,砲丸の速度は,ターンから投げの構えを整えるという,最終的に砲丸を有効に突き出すための全身の動きによって損失を受けていると考えられます。




そして,砲丸の動きのみに着目すると,ターンにおける加速は移行局面でほとんど消えてなくなっているように見えてしまうため,この速度はどこ行ってしまったのでしょうか。

そこで,加速の過程を砲丸そのものの運動という観点ではなく,砲丸を含んだ競技者全体(=砲丸—競技者系:システム)の運動として考えます。

砲丸の減速が起こる空中・移行局面における全身の角運動量,並進運動量の変化を見ると,砲丸が減速するにも関わらず,競技者の身体は回転しながら投てき方向に動き続けており,システムは投げ局面に向けて十分な運動量を確保していると考えられます。

このことから,砲丸の速度減少という一見投げに不利な状況が生じた背景には,投げ局面に向けて全身に運動量を持たせ,投げの準備を整える過程があったと考えられます。

そして,前述の砲丸と身体の関係,身体の質量の大きさとその運動量の関与を考えれば,砲丸速度の損失は必ずしも重大な問題であるとは言えません。

システムが最終の投げ局面において運動量を投てき物に転移できる状態を確保することが重要でしょう。


2.回転投法の整理

砲丸投げの回転投法を取り入れて、一日も早く上達しましょう。


1.砲丸移動距離

回転投法は,グライド投法よりも準備局面における砲丸移動距離は長くなるが,投げ局面における砲丸移動距離に大差はありません。


2.空間的な利点

加速に関わる回転投法の空間的な利点は,主に準備局面にあります。


3.砲丸速度減少

回転投法では,移行局面に砲丸速度が減少しますが,システムの運動量は十分に確保されていることから,砲丸速度減少の背景には,投げ局面に向けて全身に運動量を持たせ,投げの準備を整える過程があります。


4.砲丸速度減少

回転投法における砲丸速度の減少は,必ずしも重大な問題ではなく,システムが最終の投げ局面において運動量を投てき物に転移できる状態を確保することが重要です。

砲丸なげの回転投法をやりだすと確かに距離は伸びますが、反面基礎体力が必要になってきますので、筋肉炎症や肉離れなどの怪我には十分気をつけましょう。